TASCAM US-32/US-42 高音質配信設定

COVID-19の流行以来、配信を行う人も増えました。
だんだん、機材の使い方に困っている人も減ってきたように思いますが、これからでも新規に始める人のために、かつての記事を残しておきます。

ここでは、TASCAMから発売されている
MiNiSTUDIO PERSONAL US-32
MiNiSTUDIO CREATOR US-42
について説明します。

写真はiPhoneを使って説明しますが、PCやiPadでも接続方法が異なるだけで基本的には同じです。Androidの場合は、対応しない端末や、対応しないアプリがあるので、注意して下さい。配信にはPCかiPhone, iPadの利用を強くお勧めします。

US-32とUS-42は、当初、ニコニコ生放送に最適なオーディオインタフェースとして発売されました。初期モデルにはニコニコ動画のロゴもついていたのですが、マイナーチェンジしてロゴは外されました。また、US-42にはブラックモデルも追加されました。ただし、機能はそれぞれ、US-32, US-42と変わらないので、US-32, US-42として説明します。

US-32とUS-42の主な違いを比較します

機能US-32US-42
接続できるマイク数12 (Hi-Z対応)
内蔵マイクありなし
オーディオ出力ヘッドフォン
イヤホン
ヘッドフォン
イヤホン
RCA
ループバック常時ONON/OFF切換
マイクプリ高音質マイクプリHDDAマイクプリ
US=32/US-42の比較

まず、接続できるマイク数と内蔵マイクの有無が異なります。
US-32は、一人で配信をするか、内蔵無指向性マイクでみんなで話しているのを配信する用途に向いています。
US-42は、一人で配信する他、マイクとギターやマイクとシンセキーボードを使って、弾き語り配信をしたり、マイク2本を使用して二人で対談するといった用途に向いています。US-42で多人数配信をするときは、無指向性マイクを別途用意すればUS-32と同様に使うこともできます。
US-42では、PCから再生される音声を合成して再録音や配信をするループバック機能をオフにしたり、RCA接続で外部スピーカを接続でき、US-32よりも高音質なHDDAマイクプリを搭載しているので、レコーディングにも向いています。ただし、本格的なオーディオインタフェース製品に採用されているUltraHDDAマイクプリに比べてゲイン幅は小さいので、シュアSM7のような低出力のマイクには向いていません。

ではここから配信に使用する機材を見ていきます。

必要な機材

写真はiPhoneを使って配信する場合の機材です。
iPhoneはiPhone 7です。
Lightningで接続するiPhoneの場合、USBカメラアダプタまたはUSB3.0カメラアダプタが必要です。USB3.0カメラアダプタは第一世代iPad Pro 12インチ以外ではUSB2.0でしか使えませんが、充電端子がついているので、充電しながらUSB機器を使えます。配信の場合、バッテリが気になるのでUSB3.0カメラアダプタを選ぶべきです。PCの場合はPC本体のUSBに直接接続します。
USB Type-Cに対応したiPadや、USB Type-CでUSBホスト機能に対応したAndroidの場合、セルフパワーハブを使用するか、電源の使えるドックを使用することをお勧めします。
オーディオインタフェースはUS-32Wです。ニコニコロゴはありません。US-42を使用した場合もマイクを2本接続できるかどうかくらいで、基本的な接続は同じになります。
マイクとしてシュア SM58、XLRマイクケーブル、イヤホン、さらに、MicroUSB充電ケーブルとUSB ACアダプタを用意します。
さらに、歌配信をするのであれば、PC配信の場合はPCで再生した音楽がループバックでそのまま配信にも流れますが、iPhoneの場合、他のオーディオプレイヤーから、AUX端子にケーブルで接続する必要があります。

3.5mmオーディオケーブル

機材を揃えたら接続していきましょう。

電源スイッチ

電源がOFFになっていることを確認します。電源ON状態で接続すると、いきなり大きな音が出たりすることがあるので注意しましょう。

USBケーブルの接続

US-32に付属しているUSB2.0ケーブルを接続します。

iPhone, LighteningのiPadを使用時の電源ケーブルの接続

LighteningのiPhone、iPadを使用する時は、MicroUSB充電ケーブルをDC IN 5Vに接続します。PC配信の場合はこの接続は不要です。USB Type-Cの端末で、セルフパワーハブや電源の接続できるドックを使用する場合も不要です。

XLRケーブルの接続

XLRケーブルをオーディオインタフェースに接続します。XLRケーブルは、音を出す側がオス(ピンが出ている方)、音を受け取る側がメス(穴のある方)と決まっているので、必ず片方がオス、片方がメスになっています。間違えることなく差し込みましょう。

XLRケーブルの固定

US-32, US-42では、ケーブルを正しく差し込むと、PUSHと刻印されている金具でロックされます。ケーブルを外すときはPUSHを押しながらケーブルを抜きます。

マイクとケーブルの接続

ケーブルのメス側をマイクに接続します。

マイクとケーブルの接続

しっかりと差し込んで、ケーブルについている爪が確実にロックされていることを確認します。

イヤホンの接続

イヤホンをイヤホン端子に接続します。
イヤホン/ヘッドフォンは、端子の形状に合わせて、6.3mmジャックか、3.5mmジャックを選択します。
4極端子マイク付ヘッドフォンのマイクや、3極マイクを使用するときはマイクマークの3.5mmジャックに接続しますが、この場合、トップパネルのXLR端子に接続したマイクが使えなくなります。マイク付ヘッドフォンやヘッドセットでハンズフリー配信をするのでなければ使うことはないでしょう。

AUX接続

外部オーディオプレイヤーを接続するときはAUX端子に接続します。PC配信の場合は、ループバック機能により、PC上でUS-32で再生した音楽が配信にも流れますが、iPhoneやiPadで配信するときはBGMやカラオケはAUXに接続した機器で流します。

USB 3.0 カメラアダプタに電源を接続
USB 3.0 カメラアダプタにUS-32を接続
USB 3.0 カメラアダプタをiPhoneに接続

USB 3.0 カメラアダプタを使用する場合は、USB ACアダプタとLightningケーブルで接続して電源供給、US-32に接続したUSB2.0ケーブルをUSB端子に接続します。
PCであればUSB2.0ケーブルをPC本体のUSBポートに、USB Type-CのiPad等であればUSB2.0ケーブルをUSBハブに接続して下さい。

接続したら、iPhoneやiPadであれば、画面ロックを解除してください。

全ての接続が終わったら、マイクのVOLUMEつまみ、ヘッドフォン、スピーカのボリュームつまみがすべてMINになっていることを確認します。

MINになっていることを確認

MINになっていることを確認したら、電源をONにします。

電源ON直後

電源ONにすると、一度、全てのランプが点灯して故障がないことを確認します。

起動状態

準備が完了すると、レベルメータ、ON AIRボタン、EFFECTボタンが消灯します。
この状態で準備ができました。
準備はできましたが、この状態では配信に音声は出力されません。
ボリュームを上げていって、ON AIRボタンを点灯させると、音声が配信されるようになります。

ON AIRを店頭

配信開始しても音が出ないとならないよう、ON AIRボタンの押し忘れに注意しましょう。
なお、配信中はいつでもON AIRボタンを押して消灯させるとミュートできます。
配信中に誰か来たとかお花を摘みに行くとかであれば、ON AIRボタンを消灯してミュートしてしまいましょう。またON AIRボタンを点灯させれば、すぐに音声が復活します。

歌配信をするときは、リバーブ(カラオケで言うエコー)が使えます。

ダイナミックマイク+リバーブ

接続しているマイクに応じて、ファンタム電源が必要なマイクは切り替えスイッチを上(奥側)、ファンタム電源が不要なマイクは切り替えスイッチを真ん中にして使用します。VOLUMEを上げてマイクの音量を調整したら、REVERBを上げていくとリバーブがかかります。SM58はファンタム電源が不要なマイクなので真ん中を選択しています。
内蔵マイクを使用するときはスイッチを下(手前側)にします。

iPhoneやiPadしかない場合は、ここまでです。PCを使用すると、EFFECTボタンの設定を変更して、コンプレッサや音声効果(男性女性変換など)も使えます。
また、PCから配信すると、PONボタンを押したときに拍手や歓声、あるいは自分で設定したWAVファイルの再生ができます。

US-32, US-42は発売開始は2016年と長く使われているオーディオインタフェースですが、元々PCからニコニコ生放送を配信するために設計されただけあって、配信に必要な機能を簡単に扱えるよう特化されたオーディオインタフェースになっています。
音質は超高性能とは言えませんが、標準的なSM58やPGA48、AT-2020といったマイクと組み合わせてiPhone内蔵マイクよりも高音質で使うには十分です。

なお、Amazonのリンクを張っておきますが、2023/1時点で、Amazonで購入するときは出荷元Amazon、販売元ティアックストアアマゾン店になっていることを確認して購入することを強くお勧めします。TASCAMはTEACのプロフェッショナルオーディオブランドなので、ティアックストアが公式通販になります。
通販以外の店舗購入の場合も、変に高額転売とかされていない、メーカー保証が確実なショップで購入しましょう。


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